20230124 漆喰塗りの日/抱き合って確かめて

よく乗るのとは逆方面の電車に初めて乗る。初めて買う種類の切符と、初めて降りる駅。今日は友達に誘われて山間の街まで、古民家を改装して造るコーヒー屋さんのお手伝いに来た。漆喰塗りの日。漆喰塗りも、生まれて初めて。

2ヶ月ぶりの対面。初めての漆喰塗りはとても楽しかった。わたしと友達と、店主の方々、お店を設計した建築学生さんの他にも手伝いに来る人が数人来て、中にはたまにご飯を食べにいくシーシャ屋さんの店長もいた。それぞれ塗る様子や塗った跡を見てると、人によって塗る時の動きとか塗った形跡が全然違くて面白い。いきなり大きく塗る人、少しずつ丁寧にすきまを埋めていく人、四角い動きで塗る人と丸い動きで塗る人。この中でわたしはかなり雑で大雑把に塗っていたと思う。でもわたしの塗った形跡を友達は褒めてくれて嬉しかった。塗った形跡も含めて、わたし自身のことを言ってくれてるみたいで嬉しかった。

コーヒーやおにぎり、近くの菓子屋の大判焼き(まるじゃなくて本当に大判、というか小判みたいな形をしていた!)を頂いたのち、シーシャ屋の店長さんがお店を開けるからそろそろ帰るというので友達と一緒に車に乗せてもらった。今振り返るとこの少しあとから大寒波がやってきたので、このタイミングで帰れたのはかなり運が良かったと思う。車の中でいろいろお話しできたのも良かった。

下山して、善光寺の近くで降ろしてもらってそのまま初詣。やっと初詣に行けた!かなりの風と雪。善光寺の石畳は雨とか雪だとかなり滑るのでちょこまかした歩き方になる。初詣して、おみくじ引いて、やっとオフィシャル2023年を迎えられた気がするよ。今年もどうぞよろしく。偶然同じ番号のおみくじを引いてたので笑った。つまりはどちらも吉だったので、いい年になりそう。

大雪なのに美術館まで歩いて彫刻の展示を観たり、大雪なのにそこそこの距離を歩いた先にあるいつもの好きなコーヒー屋さんで、いつものラテを飲んだりした。時間があったのでさっきのシーシャ屋さんにも行って、シーシャは吸わずに琥珀ジャムのかかったシフォンケーキを食べたりした。大雪だからシーシャ屋さんは誰もいなくて、かなりくつろぎながらまたいろいろお話できて楽しかった。

夜ご飯は予約していたワインとイタリアンのお店に行く。引き続き大雪。ピスタチオ入りのパテや野沢菜の入った焼売が美味しかった。よかった映画の話や今年の目標とか、今年に限らずやりたいことを憚らずに共有できて嬉しい。『ドライブ・マイ・カー』を観て泣きそうになったシーンとその理由が全く一緒だったし、カネコアヤノの「祝日」のライブ音源に感動したこととか、最近羊文学をよく聴いてるけど羊文学は夏より冬のほうがしっくり来るとか、おみくじの番号と運勢ですらも、事前に擦り合わせてた訳じゃないのにそういうところが全部一緒で、丁寧に説明しなくても感覚で分かり合えてしまう人がこんなに近くにいることが、今日はいちばん嬉しかった。

あなたのことも、あなたと過ごす時間のことも、あなたといるときのわたしのことも、説明できないくらい好き。これを読んでるかは分からないけど、ほんとに、いつもありがとうね。

だから、猛烈な寒波の雪の中、どうか無事帰れますようにと祈って、軽くハグをして見送った。