20240226

日記屋 月日と本屋B&Bを行き来してそれぞれの本棚を眺めていると、ふと自分の輪郭を自分でたしかめているような感覚に陥った。この中に自分の著書なんて一冊もないはずなんだけど、詩歌や哲学、映画、そしてスパイスカレーの本棚のなかにも、たしかにわたしの輪郭はあると思った。こうやって本屋を彷徨いながら、上から下までぎっしりとならぶ背表紙をひとつひとつ眺めながら、自分が好きなものはなにか、今のわたしはどういうことに関心があって、どんな人間になりたいと思っているのか、静かに気づく瞬間って内心とてもわくわくする。こういう瞬間のことを人は「ときめき」と呼んでいる気がするし、実を言うとずっと幼い頃からわたしはこういう遊びを知っていて、今でもそれを続けている。

 

気温が氷点下になった日も、冷たい風を浴びた瞬間にも同じ「寒い」という言葉が頭に浮かぶけど、同じ言葉で棲み分けるにはちょっとしんどいくらい違う寒さだなあとか思った。冷たい風を真正面から浴びて髪を乱しながら。言い換えるなら前者は「凍みる(しみる)」、後者は「ちびたい(冷たい)」かなあ。凍みるってたぶん方言だった気がするけど。「ちびて〜」と思いながら両肩に荷物をぶら下げて歩いて帰った。なで肩なのに。