インドの爆速電車サーモン

いつか見た夢の話。

どういうシチュエーションから始まったのかは覚えていない。なぜか中学時代の同級生何人かと駅に向かって歩いていた。中学時代の同級生、だったと思うんだけど、誰がいたかは思い出せなくて、顔がぼやけている。

駅に着いて券売機に向かう。ここで私が使える支払い方法はPayPayだけだったんだけど、乗ろうとしている電車の切符だけは現金でしか購入できないらしかった。わたしには手持ちの現金がなくて、一緒に駅まで歩いた人たちではない、改札付近で偶然会った別の同級生に頼み込んで、2000円借りた。この人が誰だったかははっきり覚えている、たまに話すくらいでそんなに仲がよかったわけではないYちゃんだった。成人式ぶりの再会だしそんなに仲がよかったわけでもないのに、いきなりお金を借りて申し訳ない。えらく古いタイプの券売機で、古いタイプの切符を買った。切符には「〇〇-△△(駅名)間 サーモン」と書かれていた気がする。サーモンはたぶん列車の名前だと思う。ホーム付近の線路には、原付に乗った人やら歩いてる人やら、やたらとたくさんの人がいた。原付に2人乗りした人たちが道にぎゅうぎゅうになっている、アジアでよく見る景色だ、と思った。そしたら割とスピードのあるまま電車がホームに入ってきて、たくさんの人たちはそれをきれいに避けた。台湾の十分で線路に電車が来たときと同じ人の動き方だと思った。

「サーモン」は普通の電車よりひと回り大きい特急の車両で、インドから輸入されてきた車両だと夢の中のわたしは認識していた。満員を超えるくらいのものすごいたくさんの人たちが車両に詰め込まれていた。その人たちが降りた後で、折り返す電車にわたしは乗る。満員ではないものの、空いてる席はないみたいで、車両の真ん中あたりまで進んで吊り革を掴んだ。隣には見知らぬ男女ふたりが、同じく吊り革を掴んでいる。この男女と話したかどうかは分からないけど、女の人とは目が合った気がする。顔は覚えていない。発車した電車はものすごいスピードで、完全に体が斜めになった。吊り革に捕まってたけどマヂカルラブリーの漫才くらい斜めになってたし、足が浮いてたと思う。ほとんどジェットコースターみたいな速さの電車で、急に下り坂がきて体がふわっとしたり、森の中をすごい速さで抜けたりしてた。で、たぶん無事に到着したんだと思う。地元でインドの爆速電車に乗ったということだけを、夢の中のわたしは認識している。たぶん駅に着いたあたりで目が覚めた。インドには本当に「サーモン」という電車がありそうな気がして「インド 電車 サーモン」と検索してみたけど、そんな電車はなかった。